ジャイロキャノピー(TA03)スターター不良|バッテリー電圧あり、スイッチ問題なし、さて原因は?|東京都大田区のバイク屋

東京都大田区のバイク屋 moto factory BAN が運営するブログです。
今回はジャイロキャノピーのスターター作動不良について。
ご自身で修理をする方も多いと思いますので、参考になりましたら幸いです。

なお当店では他店購入車や個人売買車両の修理も受け付けておりますのでLINEにて気軽にご相談くださいね。
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著者プロフィール

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株式会社 BAN style 代表 植松太郎

1978年生まれ
大手二輪販売店へ就職2年目、22歳で工場長就任。
バイク屋の他、飲食店3店舗経営。
趣味はアウトドア、旅グルメ。
大型自動二輪免許はもちろん、日商簿記、調理師、小型船舶1級免許等保有。
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ついにエンジンがかからなくなった

セルスターターが使えないままキックスターターのみで乗っていたが、ついにキックでも始動が出来なくなったということで4ストローク、型式TA03のジャイロキャノピーの修理依頼が入庫しました。
まず、今回の本題ではないのでサラッとエンジン不動の原因を伝えると、プーリーを止めているナットが緩み、プーリーフェイスがキックギアに干渉してしまいキックスターターが使えなくなっているという状態でした。
クランクシャフトのスプラインまで壊してしまっていたので補修に手間はかかりましたが、しっかりとナットを締め付けて組み上げると、キックでの始動は問題なく出来るようになりました。

セルスターター不良、ジャイロはACGスターター?

一般的なスクーターと違ってこちらのジャイロの場合はスターターモーターというものが付いておりません。
このブログはある程度の予備知識がある方に分かるように書いており、長くなりすぎてしまうので詳細をお伝えするのは控えますが、簡単に説明すると、従来はスターターモーターに通電してモーターを回し、その動力でクランクシャフトを回していたのに対し、ACGスターターは電磁力を使ってクランクシャフトを回すという構造です。

故障診断

バッテリー電圧

まずはバッテリー電圧の測定。
通常時12.8Vと問題ありません。
次にスタータースイッチを押したときの電圧降下を調べましたが、スイッチを押しても小さな音で「カチ」というだけで電圧は落ちることがありませんでした。
念のため、在庫してあった正常なバッテリーに付け替えて始動を試みますが、変化なし。
カチという音がすることから、スイッチ自体は反応しており問題無いことはわかりました。

スターターリレーの交換

スターターリレー部分でトラブルが起きていないか故障診断をするのがセオリーなのですが、スターターリレー自体が900円程度の物だったので、故障診断するまでもなく、消去法のため交換をしてみましたが、改善せず。

ステーターコイルからの交流電圧を測定

コイルから出ている3本の配線間で交流電圧を測定します。
A⇔B、A⇔C、B⇔C、の3パターン。
どれも14V程度の電圧があり、問題なし。

コントロールユニットの不良か?

配線図を眺めると、コントロールユニットが怪しい。
だいたいこの手の故障の場合は、カプラー部の配線不良や、ユニットの不良なんですよね。
っということで、コントロールユニットをまずは目視で確認と思ったら、、、

カプラー部の配線焼けを目視で確認。
ひとまずなんとなく、グリグリやって接触不良を調整してやると、スターターが回りました!
っということで、故障診断は完了。

メインハーネス修理

壊れたハーネスを交換すれば修理完成なのですが、メインハーネスなんて交換してたらお客様の費用負担が大変なことになってしまうので、カプラー部の修理としました。
焼け焦げていた1本をカプラーから離脱させて修理。
(ブログにするつもりが無かったので、修理後の写真などが無くてすみません)

お客様にも喜んでいただけまして良かったです。

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